「乃木坂46と紅白」の歴史を紐解く 歴代メンバーの肉声から見る11年連続出場の意義

乃木坂46が今年もNHK紅白歌合戦に出場する。初出場を果たした15年から11年連続11回目。7月リリースの「Same numbers」をパフォーマンスする。グループの1年の締めくくりとしてもはや恒例の舞台となった印象もあるが、当然毎年当たり前に出られるような番組ではない。特に、今年の紅白出場が決まった時のメンバーたちの喜びはひとしおだったようだ。これまでの10回の出場を振り返りつつ、「乃木坂46と紅白」について考えてみたい。

音楽




■2015年「きっかけの曲」


2014年、乃木坂46は紅白に初出場するはずだった。出場が決まっていたが取り消しになったと、メンバーたちの前でスタッフの口から明かされた。このシーンはのちに乃木坂46初のドキュメンタリー映画「悲しみの忘れ方Documentary of乃木坂46」内などで一部公開されている。実は紅白で歌唱予定だった曲もほぼ決まっていた(シングル表題曲ではないらしい)が、後に関係者は「あの曲が“初”紅白の曲じゃなくてよかった」と話している。


悲願の初出場を果たした15年に歌ったのは「君の名は希望」だった。13年3月リリースの5枚目シングル。当時発表されていたシングル13作の中でも随一の、そして発売から12年以上たった今でも色あせない名曲であり、代表曲の1つだ。生駒里奈を中心に紫の衣装で、37人全員で歌った。「曲自体の魅力をストレートに伝えるため」という狙いもあり、振り付けをあえて少なくした特別バージョンで、特にサビの部分はダンスをせずに歌った。決して時間は長くなかったが、力強く、美しいパフォーマンスだった。


歌唱後生駒は、「乃木坂46らしさ、ということを強く考えるようになったきっかけの曲。初出場の舞台で歌えてよかったです」とニッコリ笑った。15年は乃木坂46にとって本格ブレークの年。世間的な認知度も上昇した中での、ある意味納得の選曲だった。今年の初出場、FRUITS ZIPPERの歌う「私の一番かわいいところ」(22年リリース)も同様で、いわゆる“名刺代わりの1曲”といったところだろう。


■2016年「これが本当なの?」


翌16年は「サヨナラの意味」。同年10月に卒業と引退を発表していた橋本奈々未さんにとって、最初で最後のセンターシングルだ。深紅のドレスはメンバーやスタッフの中でも「紅白のサヨナラのドレス」として語り継がれ人気があるという。リハーサル時の取材での「リハーサルをしていても、センターに立って、これが本当(現実)なの? という気持ちもあるのですが…」というコメントも橋本さんらしかった。続く17年は「インフルエンサー」。紅白前日12月30日、グループ初の日本レコード大賞に輝いた歴史的1曲だ。


翌18年は西野七瀬にとって最後の紅白で、センターを務めた「帰り道は遠回りしたくなる」を披露した。パフォーマンス後にメンバーたちが西野のもとに集まり、カメラに向かってポーズを決めた後、下手側の客席に「公式お兄ちゃん」バナナマンの姿を見つけて驚き、すぐに手を振る場面が印象的だった。7年以上冠番組で共演しているバナナマンが西野の実家を事前に訪れていた写真なども公開された。本番後に西野は「サプライズ、びっくりしました。バナナマンさんも来てくれて、幸せな気持ちで年越しできますし、卒業できます!」と笑顔で話していた。


■2019年「良き戦友として」


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