【長崎・五島列島編】夕暮れが始まった 日本列島の西の端の、そのまた端で/前編

旅が好きです。日本の全市区町村の97・3%を踏破済みです。掛け算の世の中、野球×旅。お気楽に不定期で旅します。題して「野球と旅を、こじつける。」。今回は宮崎・南郷で行われた西武の春季1軍キャンプ取材の合間に、リフレッシュで長崎・五島列島へ向かいました。前後編でお届けします。

プロ野球





レンガ造りの五島市・堂崎天主堂(撮影・金子真仁)

レンガ造りの五島市・堂崎天主堂(撮影・金子真仁)

■長崎市から西へ約100キロ


入り組んだ島の隅っこ。「この先は歩こう」と書かれた看板が、道路の真ん中に堂々と置かれる。

行き止まり。晴れていたら美しいであろう入り江の横に、静かにたたずむ。西武キャンプは他球団ほどにぎやかではないけれど、ここはもっと静かだ。

堂崎天主堂。静かな地ゆえ、磔刑(たっけい)の像があまりに衝撃的だ。写真を撮るのもはばかられる。聖ヨハネ五島の殉教像に、ローマ教皇も涙したという。

五島列島。長崎市から西へ約100キロ、東シナ海に囲まれた島々だ。かつて、多くのキリスト教徒が暮らし、今でも。


西武の幹賢道トレーナー(40)に尋ねる。

「仏教もけっこう多いですよ。キリスト教徒の同級生は、例えば小学校だと1クラス40人で、3分の1もいなかったかな…。ミサに行くみたいな熱心な人たちは数人くらいで。実は僕、実家はもともと寺で」

幹トレーナーも五島生まれ、五島育ち。堂崎天主堂もある最も大きな島、福江島の出身だ。

「福江小学校、福江中学校です」という経歴は、どうやら俳優川口春奈と同じだ。「10歳くらい下の子だから、見たことはないですけどね」と笑う。

長崎市からジェットフォイル(高速船)で1時間半ほど。福江港を降り、車を借りる。人気観光地の堂崎天主堂方面へ向かおうとすると、その福江中学校のそばを通る。


本文残り80% (2358文字/2965文字)

1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。