炎鵬のその後 初場所後の関取復帰はならず、左足を負傷 そして春場所へ

あと1勝していれば、関取に復帰できたはずでした。

東幕下11枚目の炎鵬(31=伊勢ケ浜)は、初場所を6勝1敗で終えました。最後の一番で敗れると、土俵の上で大の字になりました。

負傷していた左足は大丈夫なのか。春場所に影響しないのか。その後の炎鵬に話を聞きました。

大相撲

「声援にすごく後押ししてもらった」

初場所13日目の取組は衝撃的だった。

東幕下11枚目の炎鵬対東幕下54枚目の延原。6連勝同士の対戦で、勝った方が幕下優勝となる。幕下15枚目以内の炎鵬が勝てば、約3年ぶりの関取復帰が決まるはずだった。

結果は黒星だった。相手の懐に飛び込み、右上手投げで振り回されたが、これを耐える。炎鵬は左からすくいにいったが、体を寄せられ、浴びせ倒された。大の字になっていた。

延原(右)に浴びせ倒しで敗れた炎鵬(撮影・鈴木正人) 

延原(右)に浴びせ倒しで敗れた炎鵬(撮影・鈴木正人) 

取組後、報道陣に対応した。

「今日はいつも以上に、勝ちたい気持ちが強かった」「たくさんの方が支えてくれて、そのおかげで今日、土俵に立てた。声援にすごく後押ししてもらった」

気丈に振る舞っていた。

報道陣の質問に答える炎鵬(撮影・鈴木正人) 

報道陣の質問に答える炎鵬(撮影・鈴木正人) 

その十数分後だろうか。国技館内の地下通路で偶然、すれ違った。

炎鵬は左足を引きずっていた。

目が合うと、互いに「お疲れさまでした」とだけ、あいさつした。それ以上は、こちらは何も言えなかった。

下りのスロープを1人で、壁に手をつきながら、ゆっくり慎重に歩いて行った。11日目の六番相撲で痛めた左足は、決して軽傷でないことを物語っていた。

炎鵬の初場所成績


12日目肩すかし東誠竜
23日目押し出し大辻
36日目下手出し投げ藤壮大
4中日押し倒し春山
59日目下手投げ豪ノ湖
611日目渡し込み栃丸
713日目浴びせ倒し延原
照ノ富士引退相撲での集合写真(2026年1月31日撮影)

照ノ富士引退相撲での集合写真(2026年1月31日撮影)

その後、炎鵬に話を聞いたのは1月31日。伊勢ケ濱親方(元横綱照ノ富士)の引退相撲でのこと。西の支度部屋で待機していた炎鵬に「話を聞いてもいいですか?」と声をかけ、少し時間をもらった。

左足首は、ベルトの付いた黒いサポーターで固定されていた。足袋を履いていたのは、右足だけだった。

「見ての通りです」

―場所後のことを聞きたいんですけど。その後、足の具合はどうですか

足は…、見ての通りです。

―診断名どうだったんですか

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。