加藤登紀子 ウズベキスタンで平和への祈り歌に「この地球上に悲しいことが起きてほしくない」

[ 2026年10月12日 05:05 ]

10日、ウズベキスタン・タシケントで歌う加藤登紀子さん(共同)
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 中央アジア・ウズベキスタンの首都タシケントにあるナボイ劇場で10日、歌手加藤登紀子さん(82)のコンサートが開かれた。ナボイは第2次大戦後、ソ連に抑留された日本人が建設に携わった歴史ある劇場。加藤さんは「この地球上に悲しいことが起きてほしくない」と平和への希求を歌に込めた。

 旧ソ連のヒット曲「百万本のバラ」を日本語やロシア語で歌うと、大きな拍手が会場を包んだ。旧ソ連時代、カザフスタンにあったセミパラチンスク核実験場の被ばく者を題材にした製作中の映画「デゲレン 広島からセミパラチンスクへ」の主題歌になる新曲「慟哭の大地」も披露した。

 加藤さんのウズベク公演は2003年以来。日本初の町立日本語学校を設立し、ウズベクとの交流に力を入れる北海道東川町でのコンサートをきっかけに開催を決めた。会場には同校卒業生や地元住人ら約千人が集まった。ウズベク国立交響楽団や、アニメソングなどを手がける宮城県出身の音楽家菅野よう子さんも出演した。

 加藤さんは公演後の取材に対し、劇場が丁寧に維持されているほか、日本語を学ぶウズベク人が増えているとして「日本と平和な関係を築き続ける度量の深さに触れた」と強調。ロシアとウクライナの戦争にも触れ「戦いは人を傷つけるだけ」と早期終戦を願った。

 タシケントの「日本人抑留者資料館」を自費で設立した故ジャリル・スルタノフ氏の娘カモラさん(46)も公演に訪れ「人類愛にあふれた歌に深く感動した。戦争のない世の素晴らしさを伝えるためにも活動を続けていきたい」と話した。

 主催した日本ウズベキスタン・シルクロード財団の皆川芳嗣理事は「音楽は国境を越える。両国の友好と相互理解の架け橋となることを願う」と述べ、ウズベク人留学生向け奨学金制度や人的交流に力を入れたいとした。

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