山梨学院が逆境をはね返し、全員野球で大垣日大(岐阜)に3ー1の逆転勝利を収めた。
投打二刀流の菰田陽生投手(3年)はベンチ入りするも、1回戦で受けた左手首付近の骨折により今大会はプレーヤーとして欠場。大黒柱を欠く中で前半はミスが目立ったが、主将・菰田の言葉でナインが奮起。1ー1の7回に石井陽昇外野手(3年)の勝ち越し2点タイムリーで試合を決め、2年ぶりのベスト8入りを決めた。
超高校級はグラウンドに立てなくても、周りに与えるエネルギーは計り知れない。左手首付近の骨折で今大会での復帰が絶望的な山梨学院・菰田がベンチ入り。左手に包帯を巻いた状態で現れ、シートノック練習を手伝うなどサポートに徹した。試合が始まると、194センチ、102キロの圧倒的な存在感でベンチから仲間を鼓舞した。
「1つ楽な気持ちで試合に入ることができるんですけど、やっぱりその分チームをどうやって勝たせるか、どれだけ楽にできるかはやっぱり考えないといけないので。試合に出てない分周りを見て、視野を広くして、いつも以上に声をかけるのは心がけてました」。0ー1の5回1死一、二塁の守備では伝令役を担い「落ち着いて、ニアベース(1番近くのベースからアウトを取る)だよ」と確認。先発・渡部には「自分のピッチングをしてこい」と背中をおすと、石井がその期待に応え無失点に切り抜けた。
1ー1の7回2死満塁の攻撃でも、菰田の言葉が勝ち越し打を生んだ。石井が打席に立つ前には「ここは力を抜いて、楽しんでいこう」と助言を送ると、石井がスライダーを鮮やかにセンター前へはじき返し逆転の2点タイムリー。チームをこのリードを守りきり、2年ぶりのベスト8進出を決めた。
投打で軸となる菰田の不在はもちろん痛手だが、そんな逆境がチームを一致団結させたことは間違いない。決勝打の石井は「ベンチは菰田がやってくれていたので、プレーできる自分たちがつないでいくという粘り強さを見せれた」と言えば、渡部も「菰田さんがいない中で、全員でカバーして勝とうと思いました」と一丸で奮起した。
頼れる仲間たちの頑張りに菰田は「本当に試合に出ている時よりも少しうれしい気持ちはありました」と振り返りながら、注文をつけることも忘れない。「プレーに焦りがあったと思うので、そういう焦りが1番いらないと思う。次の試合は1つ冷静にというか、攻めの気持ちは忘れずやってほしいなと思います」。仲間のパフォーマンスが最大限発揮できるように。次もベンチから全力でサポートする。【平山連】
○山梨学院・吉田洸二監督 6回まで普段見せないようなミスが続き、菰田がいなくても団結して頑張るぞという思いが空回りしていました。仲間のために空回りする選手たちが可愛く思えてきて、私もすごく笑顔になって。そこから一気に緊張がほぐれて、生徒たちにも伝染したのかな。

