「闘将」のスピリットは球界に生きている-。そんなことを感じたのは先日開催されたプロ野球の監督会議でのことです。

ここで試合前、対戦相手の選手、コーチ間での“親睦的態度禁止”を徹底しようという話が出たよう。ソフトバンク小久保監督が「(相手球団の)選手、コーチ同士が談笑しているのはいかがなものか」との提言をしたといいます。

実はこれ、ルールで定められているのですが、実際はあまり守られていない現状があります。だからこそ、あらためて確認。12球団で徹底しようという話になったといいます。

これで思い出すのは阪神で監督も務めた矢野燿大氏のエピソードです。矢野氏は中日でプロ生活をスタート。当時の中日監督は闘将・星野仙一さんです。

試合前の練習中、矢野氏は相手球団で東北福祉大出身の先輩選手の元へあいさつに出向きました。この世界、高校、大学を問わず先輩後輩の関係はハッキリしているのが常。矢野氏もそれに習ったのです。しかしベンチに戻ると闘将のカミナリが落ちました。

「これから戦う相手と何をヘラヘラしゃべっとるんじゃ!!」

それに懲りた矢野氏はその後は気をつけたということ。そう考えれば、この話題は古くて新しいものかもしれません。

今年はWBCが開催されるように、現在は侍ジャパンの存在が大きくなっています。出身校の「縦」だけでなく、他球団と「横」のつながりも増えていくのは間違いありません。

代表戦で戦っているときに連帯感が増すのは、もちろん、重要。それでもそのムードがシーズンにまで続くのは、どうか。こういう年こそ、しっかり考えるタイミングかもしれません。

「グラウンドでヒマなんだろうなというふうに見える。格好悪いというのが僕の印象。監督同士というのはゲームが始まったら勝負していますから」

小久保監督に同意した阪神・藤川球児監督はそう話しました。球児監督はどちらかと言えば選手の自主性などに重きを置く、“今風”と思われていますが、ここはシビアな見方でした。くしくも昨年、日本シリーズで相まみえた2人の指揮官の見立て、いい意味でピリピリ・ムードが生まれるか、どうか注目です。

1月22日は星野さんの誕生日です。生きていれば79歳。亡くなって8年ですが今回の話、闘将は空の上から「当たり前じゃ!」とゲキを飛ばしているかもしれません。【高原寿夫】