いい当たりだった。途中出場で8回に打席が回った木浪聖也の中前打だ。これでオープン戦の成績は26打数9安打の打率3割4分6厘に。OP戦は各選手、打数が大きく違うのでなんとも言えないがチームで1、2位を争う好打率だ。
「そんなの、明日で切れるじゃないですか(笑)。オープン戦は終わりだし」。木浪にその話をすると、そう笑った。確かにここでいくら打っても、正直、どうということはないのだ。
オープン戦ラストの3連戦。本来なら…という言い方もおかしいが翌週に迫った開幕カードに備え、ある程度は固まった布陣で臨みたいところかもしれない。その意味で阪神は昨シーズン同様、状況に応じた起用という形になりそうだ。
1番の近本光司から4番佐藤輝明までは不動。だが大山悠輔は現在、5番を打っていない。指揮官・藤川球児は数日前にそれを問われ「大山を待つだけですね」という言い方をしていたが分かったような分からないような談話ではある。調子が上がってくれば5番だが、最初は6番の可能性もあるとも聞こえるのだ。
そんな中、おぼろげながら決まってきたのは左翼は中川勇斗ということだろう。左翼と遊撃手は昨季、最後まで固まらなかったポジション。だがハッキリ言って、そこも大きい変化はないかもしれない。開幕戦の巨人先発が左腕なのでここは中川が固い。それでも右投手なら高寺望夢のスタメンになる場合もあるだろうし、ここも固定とはいかない様子だ。
遊撃はこれもまずは小幡竜平だろう。やはり守備の良さはピカイチだし、あえて代える選手はいない。「打てる遊撃手」の触れ込みだったディベイニーは現状、クエスチョンマークしか付かない様子だ。
ここでやはり注目するのが木浪である。チーム関係者が「肩は一番強い」という存在。経験は多い。日本一になった23年の打棒が復活すれば、やはり無視できない存在だ。本人はどう思っているのか。
「う~ん。スタメンかどうかとか、そういうことは本当にもう考えてないんですよ。出たところでやる。いつも同じことだけど、それだけです」。いわば“明鏡止水”の心境を説明した。それはそうだろう。同時に秋になってどの選手がどうなっているかは誰にも分からないのである。ハッキリ言えるのはシーズンは長い…ということだけだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




