先日、マツダスタジアムでのオープン戦、左腕の森翔平が登板した際に浜田省吾の「風を感じて」が流れた。これまで知らなかったのだが「いいね」と思ったのである。若い人はどうか知らないが一定の年齢以上で浜田省吾、ハマショーを聞いたことがない人は少ないと思う。「風を感じて」は代表作の1つだ。
阪神にも若いけれど「ハマショー好き」がいる。左腕・桐敷拓馬だ。両親の影響でファンになったという桐敷はデビュー以来、ずっとこれもヒット曲「J.BOY」で登板している。その桐敷に「森投手もハマショーやったね」と聞いてみた。するとこんな話をする。
「そうでしたか? いいですね。若い人が(浜田省吾を)広めてくれるのはうれしい。ボクも変えますよ」。なんと。「J.BOY」を変えるのか。何にするのだ。いろいろ想像しながら聞いた。答えはこうだ。
「『MONEY』です。なんでって特に理由はありませんよ。気分です」。そう笑った。そうか。理由はないのか。では、こちらで理由を考えることにしよう。これでどうだ。
この日でオープン戦が終了した。1位は巨人と日本ハム。阪神はDeNAと同率3位に入った。もし、この日のオリックス戦で阪神が勝っていれば阪神優勝の可能性もあった。だがハッキリ言ってオープン戦の結果はシーズンに関係ない。
もちろん、選手にとっては無関係ではないだろう。この時期での結果で選手は首脳陣に評価され、あるいは逆のこともある。だが少なくとも年俸に反映されることはないのである。
プロ野球選手の評価はやはりおカネだ。いろいろ言っても、やはりいくらもらっているかで選手としての価値が決まると思う。誰もが大谷翔平に圧倒されるのはそこも大きいだろう。
桐敷の話だ。オープン戦は6試合6イニングに登板して失点なし。少ない投球数で打ち取る投球術に磨きがかかる。昨季は故障などもあり、最優秀中継ぎ投手賞に輝いた24年の70試合から43試合に登板数が減った。その結果、4年目で初の減棒となったのだ。今季は完全復活を期している。「勝利の方程式」入りも狙うところだ。
言うまでもなくおカネのためだけにプレーするのではない。勝利の喜び、達成感。チームやファンとの一体感も。それでもプロは、その先に「ビッグマネー」がある。(敬称略)




