世田谷西が大会史上3チーム目の3連覇を成し遂げた。今年春の全国選抜大会も制しており、日本リトルシニア協会史上初の春夏連覇と夏春夏連覇を同時達成した。協会と関東連盟主催の公式戦も32連勝と安定した強さを発揮した。酷暑の大会で、どのチームもたくましくプレーした。汗まみれのスコアブックから印象に残った選手をピックアップした。【久我悟】

▶準決勝

世田谷西7―6浦安

▶決勝

橿原磯城010 000 0 1

世田谷西112 000 X 4

【橿】坂本、多根井、殿垣内―石田【世】奥村、吉住、徳久―鐘ケ江 [二] 鐘ケ江(世)

【準決勝で代打草野がサヨナラ打】

神宮球場での閉会式。3連覇の世田谷西から最優秀選手のエース福田遊大(3年)に続き、優秀選手に強打の正捕手、鐘ケ江勇人(3年)が呼ばれた。もう1人は草野礼人(3年)。応援席から驚きと納得のどよめきが起こった。

決勝戦の出場はなかったが、準決勝は主役だった。7回表、浦安に同点とされた。その裏、2死満塁としたが、まだ「下克上」を狙う浦安に勢いがあった。打順は救援して好投を続ける福田。延長タイブレークを考えると、そのまま打たせるべきか…。吉田昌弘監督は草野を代打に送った。

【ここで使わなかったら、彼の努力は報われない】

カウント3―2。押し出し四球も頭にあったが、振った。左中間に大きく大きく弧を描くサヨナラ打だ。「うれしいです」。仲間の迎えに巨体を預けた。

強打でも、吉田監督いわく守備範囲は30センチ(自称40センチ)。今大会は主に三塁ランナーコーチで、裏方の仕事はなんでもやる。土壇場の草野起用について吉田監督は「ふだんの姿勢もそうですし、ここで使わなかったら、彼の努力は報われない…」と声をつまらせた。

決勝戦。優勝の瞬間、内野陣が歓喜の輪を作ると、前日から一転、草野ら数人は輪を離れ、外野手を出迎えた。やさしい代打の切り札が、強い強い強い、セタニシにいた。

【MVP福田に寄せられる信頼感】

MVPの世田谷西・福田も決勝戦の出番がなかった。ただし、初回からブルペンとベンチを何度も往復。前日4回を投げたこともあり、救援待機だったが、3番手の徳久陽人(3年)が落ち着いて投球するまでスクランブル態勢だった。小刻みな継投ができる投手陣を誇るが、吉田監督は「福田への信頼感があるので」と話す。福田も「いつでも、どこまでも投げますよ」と安定した制球力と切れ味のある左腕がいるからこそ、個々の状態を探りながらの継投策ができる。

【負けたのは「弟」の世田谷西TCだけ】

◆日本選手権3連覇 1973年(昭48)に始まった今大会で3年連続優勝は83~85年の調布と、90~93年に4連覇した港東に続く3チーム目。昨年秋の新チーム結成以来、関東連盟の支部大会、関東大会、リトルシニア協会の全国大会は32連勝中。最後に公式戦で負けたのは昨年秋の東東京支部大会準決勝で、相手は親子チームの世田谷西TC。身内以外に負けず、新チーム結成以来35勝1敗。

【関東連盟勢の結果】※( )は連盟

▶1回戦

世田谷西7―0北摂(関西)

佐倉6―2東北福祉仙台北(東北)

中本牧4―3熊本東(九州)

浦安10―3白山(東海)

東練馬11―10山口東(関西)

秦野8―4北空知深川(北海道)

取手8―4徳島藍住(関西)

静岡裾野7―0宮崎(九州)

調布10―0新潟江南(信越)

青森山田(東北)10―8木更津

豊田(東海)7―0東久留米

神戸中央(関西)7―3武蔵府中

▶2回戦

橿原磯城(関西)12―2調布

東北楽天(東北)6―5中本牧

浦安5―4中野(信越)

世田谷西3―0佐倉

秦野8―2東練馬

静岡裾野11―1取手

▶準々決勝

世田谷西7―2東北楽天

橿原磯城8―0静岡裾野

浦安5―3秦野