「人間性で選ばせてもらった」宇野昌磨さんが語るIce Brave2へのこだわり

フィギュアスケート男子で五輪メダル3個、世界選手権2度制覇の宇野昌磨さん(27)が手がけるアイスショー「Ice Brave2」が11月1~2日、京都公演(京都アクアリーナ)で幕を開けます。

開催に先駆けて、8月26日には大阪市内でメディア向けの合同取材会が開かれました。

約2週間後に迫ったこのタイミングで、ショーの見どころ、宇野さんの素直な思いを、余すことなくお届けします。

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【合同取材会の会場は、記者会見のようだった。宇野さんが1人で前に座って、記者と正対。前方隅に立つ司会者からの質問を受ける形で取材が進んだ。メディア側はフィギュアスケート担当だけでなく、さまざまな媒体の記者が出席。堅い雰囲気を察知し、宇野さんが自ら、それをほぐしていった】


―本公演はどういったテーマで、今回プロデュースされていますか

「まず…あんまり関係ないんですけど、僕はかしこまったのが苦手なので、真剣な心持ちではなく、気軽に聞いていただけるとうれしいです。Ice Brave『1』から『2』ということで、名前を変えずに『2』とさせていただいたのには、コンセプトをあまり変えずに、よりレベルアップしつつ、また違う内容だったり。『1』で見せた、いろいろな驚きとか、皆さんに好評いただいたものを残しつつ『もっといろいろなことができるよね』と。今回メンバーも多少変わったことで、コンセプトは一緒ですが『2』ということで。すごく期間は短いんですけど、また違ったものをお見せできたらと思っています」



―「Ice Brave」というタイトルには、どういった思いを込めていますか

「Ice Brave…。僕が競技時代から、人よりジャンプの技術、表現力…何に人より自信を持って『これは強み』いう部分があるかなと考えた時に、やっぱり僕よりジャンプの技術が高い人、スピン、表現力…。そういったところにたけていた人がたくさんいた中で、それでも僕がトップで戦えていたのは、フィギュアスケートというものよりも、競技との向き合い方の心持ち。本当にその日の、目の前にある練習、試合に、全力で。もちろんみんな全力だと思いますが、心持ちの高さ、強さは人に負けないかなということで。フィギュアスケートは割ときれいで、静かで…というイメージを持ちがちだと思いますが、今回イベントを作る側として『スケートをあまり見ない方にも見やすく』というショーを心がけていました。『Ice Brave』という名前から、力強さ、楽しさ、エネルギッシュな部分を、お見せできたらと思って、このタイトルにさせていただいています」



―「Ice Brave1」でのお客さまの反応を教えてください

「やっぱり競技の時は大きな歓声、拍手、本当にその拍手で感動する瞬間、力になる瞬間がたくさんあったんですけど、時にはプレッシャーになったり、緊張、『この期待に応えられるかな』という気持ちになる時があります。今回のイベントの『お客さんを楽しませたい』というのが目標な上での大きな拍手や歓声は、僕たちがその日まで積み上げてきた練習、過程が、その場のフィードバックとして称賛されているような感覚でした。すごくうれしかったですね。僕たちが、このショーにかけている熱量を、さらに超える熱量で、これを楽しみに見に来てくださっている、楽しんでくださっているのを感じることができた。今までとはまた違った応援が、歓声が、力になるっていうのが『まさしくそういうことなんだな』と感じました」



―「Ice Brave2」でパワーアップされるポイントを教えてください

「僕たちは『いろいろなことをパワーアップさせたい』『ここを良くしたい』というのがありますが、今回初めて見に来る方もいらっしゃると思います。『僕たちがここをパワーアップさせたから…』というよりも、本当に見た人が『すごい』と思うか。驚いてくれるか、楽しいと思うか、だと思います。事前にいろいろな取り組みをしていきますが、最終的には見に来る方が『すごい』と思ってくれるショーを、いろいろな取り組みで、いろいろなアプローチをして作っていきたいと思っています。『また、このショーが見たい』と思っていただけるように頑張りますので、ぜひよろしくお願いします」



―関西では京都公演ですが、関西のお客さまに期待されていること、楽しみにしていることがあれば教えてください

「僕からお客さんに…っていうことですよね。なんだろう…あんまり拍手の大きさとか、順位付けするのは良くないですが(笑い)、福岡がすごかったので、大阪は勝手な偏見ですが『圧が強いのかな』と思うので、大きな拍手を期待しています」



―今回のキャスティングはどういった思いでされていますか

「完全に…人間性で選ばせてもらっています(笑い)。僕自身が初めてプロデュースするアイスショーだったので、皆さんを引っ張っていくとか、どうしていくとか、分からない部分が多かったです。本当に手のかからない子たちを選びました。半分冗談ですけど(笑い)、もちろん1人1人個性があふれているので、すごく雰囲気も皆さんにお見せする部分も素晴らしいと思いますし、裏では僕たち、仲良く、ずっと楽しくショーを作っている。そういった部分が、ショーのどこかにも、かいま見える瞬間があると思うので、見ていて心地よいと思います。お願いします」



―練習の雰囲気も教えていただければと思います

「雰囲気を今ここで、口頭で…(笑い)。難しいですね(笑い)。雰囲気は…間違いなく、みんな楽しそうにやっていて、それはスケーターに限らず、スタッフの皆さんも、僕がやりたかったショーの雰囲気というか。やっぱり練習はしっかりやるところはやって、でも、僕は全員が楽しんでほしい。失敗をお互い笑い合える雰囲気でやりたいと思っていました。そういった部分に関しては、間違いなく大きな失敗をしても、日々の練習にしっかり取り組んでいるからこそ笑えることだと思います。そういった部分でお互いに笑い合って、『Ice Brave1』を終えられた。日々の練習はちゃんとやることをやって、よりお客さんに喜んでもらえるために取り組んでいるからこそ、本番での雰囲気の良さにつながっていると思います」


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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。