記録的なインフレやトランプ米大統領の関税引き上げ問題にアメリカの食品業界が揺れる中、今年もロサンゼルス南部アナハイムでオーガニックや自然派製品に特化した全米最大級の見本市「ナチュラル・プロダクツ・エクスポ・ウエスト(NPEW)」が行われました。3月4日から4日間の日程で開催された今年のNPEWには、世界各国からおよそ3200の企業が参加し、昨年を上回る7万人近くが来場する大盛況となりました。

4日間で約7万人が訪れたナチュラル・プロダクツ・エクスポ・ウエストの会場
4日間で約7万人が訪れたナチュラル・プロダクツ・エクスポ・ウエストの会場

「ナチュラル&スペシャルフード」「サプリメント」「オーガニック」「ライフスタイル」「ホットプロダクト」のカテゴリーごとにブロック分けされた会場には、オーガニック食品からプラントベース食品、スナック、飲料、インスタント食品、ソースなどの調味料、米や麺など炭水化物、加工肉や乳製品、冷凍食品など約5000プロダクツが並び、さながら巨大な試食会と化していました。

オーガニックは当たり前になっているアメリカでは、多くのオーガニック食品が出展
オーガニックは当たり前になっているアメリカでは、多くのオーガニック食品が出展

日本からもドジャースの大谷翔平投手と契約した「お~いお茶」の伊藤園やキッコーマン、オタフクソースで知られるオタフクフーズ、森永乳業など多くの日本企業が出展しており、他にもラーメンやだし、みそに抹茶やラムネなどさまざまな日本食品が紹介されていました。

インターナショナルフードは昨今のトレンドの一つでもあり、日本以外にも韓国や台湾、インドネシアやインド、中東、ヨーロッパなど世界各国の企業のブースが並び、麺類や餃子、スパイス、調味料、ピザやバオ(肉まん)などの冷凍食品にスナックや飲料水まで国際色豊かな食品も勢ぞろいしていました。

エシカルや環境に配慮した持続可能な製品とサービスも展示されるNPEWでは、脱プラスチックの取り組みや環境保護、動物福祉、再生型農業(リジェネラティブ農業)、アップサイクル原料を使用した製品も目立ちます。

おしりふきブランドの目を引くディスプレーなど趣向を凝らした展示も多い
おしりふきブランドの目を引くディスプレーなど趣向を凝らした展示も多い

特に今年は、鶏インフルエンザによる卵不足と価格高騰が社会問題となる中、動物福祉に配慮した持続可能な環境で育てられた鶏卵もフューチャーされた食品の一つでした。また、グラスフェッドの肉や乳製品、オールナチュラルな鶏肉やターキーを使ったジャーキー、十分な水質資源を残す持続可能な漁業によって収穫されたサーモンなども、一つのトレンドとなっていました。

ケージフリーの低温殺菌された卵「パスチャライズド・エッグ」を紹介するブース
ケージフリーの低温殺菌された卵「パスチャライズド・エッグ」を紹介するブース
鶏たちが平飼いされている養鶏所の様子を展示する企業も
鶏たちが平飼いされている養鶏所の様子を展示する企業も

また、今年の会場を席巻していたのは、多様化する機能性飲料とノンアルコール飲料でした。Z世代を中心に広がるノンアルライフのトレンドを受け、ノンアルコールビールやモクテル(ノンアルコールカクテル)、ノンアルコールワインなどが多数出展。ギネスは通常のビールとノンアルコールビールの飲み比べを行っていたほか、俳優トム・ホランドが昨年ローンチしたノンアルコールビールのブランド「BERO(ビーロ-)」や歌手ケイティ・ペリーが2022年に立ち上げたスパークリングのノンアルコール飲料「De Soi(デ・ソイ)」なども注目を集めていました。

トム・ホランドがローンチしたノンアルコールビールBERO
トム・ホランドがローンチしたノンアルコールビールBERO
ケイティ・ペリーが立ち上げたノンアルコール飲料ブランドDe Soi
ケイティ・ペリーが立ち上げたノンアルコール飲料ブランドDe Soi

加えて、飲料部門では昨今のトレンドである健康的な炭酸水もメープルシロップなど天然の甘味料やフルーツを使ったよりナチュラルな製品が多く紹介されていたほか、メンタルヘルスや気分、脳の健康をサポートする機能性飲料もトレンドとなっていました。キノコや天然アダプトゲンを配合した集中力やリラックス効果、睡眠のサポートなどを謳うドリンクは、腸の健康をサポートするドリンクに次ぐブームになりそうな予感です。

脳の健康をサポートする機能性飲料は今年のトレンドの一つに
脳の健康をサポートする機能性飲料は今年のトレンドの一つに

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)