さあ、マダイのシーズンの到来だ。
東京湾や駿河湾では早くも乗っ込みの第1陣と思われるマダイが姿を見せ始めた。中には大相撲の幕内優勝力士が手にしそうな、立派な大ダイも乱舞している。
コマセ釣りだけではなく、タイラバ、ひとつテンヤなど釣り方はいろいろ。例年通りなら桜の咲き始める時期から乗っ込みは始まり、ゴールデンウイーク前後まで楽しめる。
別名「サクラダイ」とも呼ばれるこれから時季となるマダイの概況や、釣り方のアドバイスなどを紹介しよう。
★彼岸辺りから
「プレ乗っ込みっぽいです。黒っぽいマダイも出てきて、今月後半から本番を迎えると思います」。東京湾で狙う千葉・内房の富浦「共栄丸」笹子宏宣船長はこう話した。駿河湾で船を出している静岡市内の興津「大和丸」大多和勝己船長も、「抱卵しているマダイもいる。例年通りの傾向で、3月のお彼岸あたりから4月にかけて一気に盛り上がりそう」と語った。
共栄丸では3キロ近いサイズが上がったほか、日によって18匹など2ケタ匹数をマーク。乗っ込みの前段の数釣りを展開している。「昨年よりもいい。数が伸びている」(笹子船長)。指示された水深=タナ(魚の遊泳層)にピタリと合わせるだけではなく、3~4メートルほど上からゆっくりと付けエサを落とし込んで食わせるパターンがいいという。
★先月4・5キロ
同じ東京湾でも神奈川県側の金沢八景「太田屋」(太田一也船主)では、1月半ばあたりからポツポツと上がり始めた。2月18日には4・5キロの大ダイも上がった。「まだ乗っ込みの気配はないが、これから水温次第で進むのでは」(太田船主)。こちらも数釣りの時季だが、その中に大型がいきなりドカン! と食うという。
★刺し網に9キロ
静岡・沼津の久料「魚磯丸」の久保田清船主も、「遅くとも今月半ばから乗っ込みは始まる」とみている。2月下旬の段階で漁師の刺し網に8~9キロの巨ダイが入ったとの情報も得ている。「例年通りではないか」(久保田船主)。
どの地区のマダイ釣りでも当てはまることだが、各船長はコマセの巻き方を重視している。太田船主と大多和船長は、「大きなアクションでサオをあおって、ドバッと巻くのは禁物。青物やフグなどのエサ取りが邪魔するから。カゴの上の窓は閉める。下の隙間も小指の爪が引っかかる程度にして、コマセがポロッポロッと潮の流れに乗って出て行く感じにする」と声をそろえる。久保田船主は置きザオを推奨する。「自然に任せていた方が食い付く可能性が高い」とした。
★タナ取り重要
コマセ釣りでもう1点、重要なのはタナ取り。最近のリールは優秀で、デジタルの水深計が付いている。もっともコマセ釣り用の電動リールや両軸受けリールに巻いてある道糸のPEラインは、10メートルごとに赤、青、黄色などと色が変わる。その中には1メートルごとに白と黒などの色が付いた目印が入っている。これを数えながらタナを合わせ、アタリがあった場所の色を覚えておくのが、マダイゲットへの近道でもある。
アナログかもしれないが、実は一番正確だ。「水深計はアテにしてはいけない。それよりも道糸でしっかり計測する」と大多和船長は強調していた。
◆乗っ込み 釣り用語で、水温が上がり始める3~5月ごろに産卵を控えたマダイ、クロダイ、アオリイカ、マブナなどが深場から浅場(岸辺)に移動、接岸してくる行動またはその時季のこと。産卵前で体力をつけようと荒食いするため、数が伸びたり、大型が食いやすくなる。釣り人にとってはうれしいシーズンでもある。
■タイラバ専用船 潮動く時狙い目
神奈川・野島「村本海事」(関口真一船主)で狙うタイラバ専用船では、ここに来て2~3キロのマダイが出ている。まだ乗っ込みではないが、大潮や中潮など潮が動く時が狙い目だ。80~100グラムのシンカーを着底させたら糸フケを取り、底から2~5メートルといったように指示された高さまで巻き上げ、アタリがなければまた落とす。コマセ釣りやひとつテンヤはアタリが出たら合わせるが、タイラバは合わせない。マダイが反転する重みを利用して針がかりさせ、一定のペースでPE0・8号の道糸を巻き上げる。
この時季の誘いの特徴として、関口船主はネクタイの波動を挙げる。「秋は幅が太くねじれもデカいネクタイで、巻いたときの波動を大きく出す。今は波動が抑えめに出るネクタイの方がいい」。ネクタイの色は、オレンジや赤が定番。あとはオレンジと黒とか赤黒など表裏で両極端なタイプがいいという。
■投入したテンヤ 1分で入れ替え
千葉・外房は飯岡「梅花丸」(梅花武幸船主)のひとつテンヤマダイは、時折4キロなどの大型が食ってくる。「潮とともに回遊しており、何日か居続けた時にヒットする」という。水深50メートル前後の深場の底狙いで、テンヤは12~15号。落とし込みの着底寸前とか、着底してすぐに食う「着ドン」など、アタリの出方はいろいろだ。
昨年同宿で開催されたマダイダービーのチャンピオンとなった常連の森本勉さんによると、「今は乗っ込みの走りです。白子が入り始めているようです。3月に入れば浅場に突っ込んできそうで楽しみです」という。型をみるコツとして、「投入したテンヤは1分ほどで入れ替えます。こまめに落とし直せば、それだけ落とす回数と誘う回数が増えて、アタリが増えます。入れっぱなしにすると、道糸が潮で流されて緩むので、かえってアタリが出なくなります」とアドバイスしてくれた。
■ダービー開催
船宿もしくは地区によりマダイダービーを開催。
◆共栄丸 3月15日~6月7日まで開催。参加費500円。参加者にはマダイ針を進呈。マダイ3匹の総重量審査で対象は500グラムから。開催期間中、何回でも入れ替え可。
◆魚磯丸 3月20日~5月24日(予定)。参加費1000円。3匹の総重量でレディース賞などあり。
◆大和丸 所属する静岡・清水港をはじめ、由比港、田子の浦港の計10の釣り宿で3月28日~5月10日まで合同開催。参加費2000円でパスポートを発行し、開催宿で乗船。マダイの重量審査で、同じ場合は先着順。何度でも更新可能。5飛びの「飛び賞」やレディース賞、キッズ賞、目方ピタリ賞など、賞品多数。










