新年の初釣りにはもう行きましたか? 東京湾では2枚看板の1つ、アジの数釣りが楽しめる。タナ(魚の遊泳層)さえ合えば、次々と掛かってくる。もう1つの看板であるタチウオは、神奈川・観音崎沖で大きな群れとなって固まっている。このほか、クーラーをさまざまな魚種がにぎわせてくれる五目釣り、食べておいしいイカやフグ、磯で狙うメジナなど、寒い時期ならではの釣趣がある。【赤塚辰浩】
■横浜 山下橋「広島屋」
ブルブルッとサオの穂先が小気味よく揺れ、手元にアタリが伝わってくる。LT(ライトタックル)で狙う東京湾のアジ釣り。横浜市の山下橋「広島屋」(石井晃船長)では、海洋環境専門家の木村尚氏と演歌歌手の出光仁美が乗り込んだ。終日ポツポツと食い、常連の大下晶弘さんは110匹の束釣りを記録した。
釣って楽しく、アジフライ、つみれ、南蛮漬けなどで食べておいしい人気魚種。日によって釣果にムラはあるが、川崎沖や横浜沖など、ポイントは至る所にある。この時季は20~25センチ前後が主体。潮が動いて食いが活発となり、タナさえ合えば数が伸びる。
「大きな群れが回ってきているようで、よほど潮温が下がらない限り、2月ぐらいまではこの傾向が続くだろう」(川崎「つり幸」幸田一夫船長)。
数を伸ばすコツは、コマセワークと手返しだ。ポイントに到着して船長が「下から2メートル」などとマイクでタナを指示する。
石井船長はコマセワークについて、「コマセを入れたビシが着底して糸フケを取ったら、まず1メートル巻き上げてコマセを振り出し、もう1メートル巻いて振り出し、50センチから1メートルほど聞き上げてゆっくり誘いをかけます。コマセの煙幕の中に仕掛けが入るようにしておくのが大事」と話す。
また、つり幸の幸田船長は、「50センチ間隔で小刻みに、手首を返す程度でコマセを軽くまいて誘う方がいい。30センチとか40センチ超級の大アジと違い、狙うアジが小さい分、コマセをドバッとまくと満腹になって食いが落ちる」とアドバイス。
あとは手返し。コマセを入れているビシが見えたらサオを立ててロッドキーパーに置き、ビシを回収してコマセの入ったオケに入れる。続いてヒジを伸ばしてハリスをたぐり寄せる。ハリスをつかんだらヒジの関節を曲げるだけ。曲げて獲物の掛かったハリスを上げながら体を船内に向けて、船の中に獲物を入れて針を外すだけ。腕に余計な力を入れる必要はない。基本の動作さえできれば、おかずは確保できる。
■神奈川・観音崎沖
神奈川・観音崎沖で「刀狩り」だ。タチウオは東京湾の釣り物2本柱の1つとして、通年狙えるターゲット。「深場で大きなまとまりで固まるのはこの時季の定番です」(金沢八景「太田屋」太田一也船長)。つり幸はテンビンとルアー、太田屋はルアーで狙う。
ルアーはタダ巻きが基本。120グラムのメタルジグを使う。潮の流れや水深によっては150グラムもあった方がいい。カラーはブルーピンクと赤金が2本柱。あとはイワシカラーなど捕食している小魚に近いナチュラル系など、種類を多めに持参するといい。
当日の釣行で周囲がどんなルアーを使い、どんな誘い方でヒットしているかをチェックすることが重要になる。
■静岡 久料「魚磯丸」
伊豆の海で夜遊びができる。しかも、ヤリイカとマルイカ。映画だって今どきほとんどない、久料「魚磯丸」の豪華2本立てだ。
「黒潮の大蛇行が消えたのがいい影響を及ぼしているのか、何年ぶりかで群れが回ってきた」と久保田船長をはじめ、釣り人を喜ばせている。
大きくサオをしゃくってツノを上下させるスルメイカ釣りと違い、ヤリイカもマルイカも手首を返す程度でソフトに誘って乗せる。ヤリイカは5~8本のツノで長さ11センチ、マルイカは5センチ程度のスッテ5本仕掛けを使う。
どちらも甘くて身が柔らかい。刺し身はもちろん、里芋や大根と一緒に煮物にしたり、キムチなどと混ぜての炒め物にしてもいい。
ヤリイカは昼便でも出ている。こちらはオモリ120号で、水深150~180メートルの深場を攻めている。
■千葉内房 保田「村井丸」
豊かな海の幸を実感したいなら、五目釣りが楽しいだろう。千葉・内房は保田「村井丸」(村井智博船長)ではウイリー3本針でイサキを狙いながらイシダイなどが釣れるパターン、コマセを使わずテンビン仕掛けでアマダイ、イトヨリなどを狙うパターンがある。ゲストとしてアジ、サバだけではなくマダイ、イナダなど色とりどりの魚が掛かってくる。
この傾向は、静岡・駿河湾でも同じ。興津「大和丸」(大多和勝己船長)や久料「魚磯丸」(久保田清船長)でも五目狙いで出船している。
■静岡 石廊崎「橋本屋」
寒グレ(メジナ)のシーズンがやってきた。静岡・石廊崎「橋本屋」(山本一人船主)では、40センチクラスのメジナが丸島や沖の丸島といったポイントで続々と上がっている。
日刊釣りペンクラブの鵜澤政則会員によると、「今は回遊性があって強気なオナガメジナが主体。潮の流れに乗ったり、コマセに寄ってきている。寒さが厳しくなって潮の温度が下がれば、足元とかで鳴りをひそめていた口太メジナの警戒心が薄れて食い始める」という。
石廊崎の磯で口太は黒島や飛根などで実績がある。「現在、潮温が17度台と例年より1~2度ほど高い。14度台まで下がって岩にノリが生え始めれば、それを狙って入ってくる」と山本船主は期待している。
■千葉 富津「みや川丸」
新年恒例のフグ釣りが千葉・富津「みや川丸」(宮川淳船長)で始まった。コモンフグ、ショウサイフグ、アカメなどが例年通りなら3月末から4月頭まで釣れる。今月2日の開幕日には13~30センチ(最大アカメ)が10~28匹とまずまずのスタートを切っている。
こちらでは特産品であるノリの養殖網への配慮から、カットウ釣りは禁止。甘えびエサの食わせ釣りで狙う。釣れたフグが刺し身にから揚げ、煮付け、鍋などになる。特に湯豆腐は絶品だ。ファンが多いのもうなずける。
宮川船長が「ふぐ処理師」の資格を持っている。港に帰ったら、さばいた状態で持ち帰ることができる。釣り宿ならではのサービスもうれしい。









