3月1日、関東やその近辺の多くの河川で渓流釣りが解禁となる。条件さえ良ければ、春の訪れを感じながらイワナやヤマメ、アマゴなどとのやりとりが楽しめる。今季の狙い目や注意事項、釣行後の楽しみなどについて紹介しよう。

事前に諸々確認を

3月1日ともなれば多くの釣り師が渓流にやってくる(昨年の解禁風景)
3月1日ともなれば多くの釣り師が渓流にやってくる(昨年の解禁風景)

世の中は30年に1度の大渇水となり、神奈川・津久井湖では一部、湖底が見えてしまうほどだ。主要河川でも同じような状況だが、攻め方はある。日本渓魚会名誉会長でもある日刊釣りペン・クラブの相吉孝顕会員(92)によると、「渇水時のアユの狙い方と同じで、水草が腐ったような泥アカ、腐れアカのある場所は避けて水量の多い本流を重点的に狙うといい」という。ホームグラウンドとしている静岡・狩野川を例に出すと、伊豆市内の修善寺地区や天城湯ケ島地区の本流や支流の大見川あたりに点在している。参考にするといいだろう。

各河川と管理する漁協によりルールが違う。持ち帰る時の制限匹数や小型の放流サイズ、キャッチアンドリリースの区間などは確認する必要がある。

また、静岡・河津川のように、流域の河津町内にはエサを販売する店舗がない場合もある。同川漁協では、「イクラやブドウ虫などのエサは、伊東や修善寺などの釣具店で購入してきてもらいたい」と呼びかける。日釣り券や年券の購入も、「フィッシュパス」「つりチケ」などのデジタル遊漁券を利用すると便利だ。

車の釣行に関しても注意事項がある。河津川沿いでは、3月8日まで「河津桜まつり」の時期とも重なるため、道路渋滞にも注意したい。催事だけでなく、釣り場もしくはそこにたどり着くまでの高速道路や主要幹線道路で、思わぬ積雪や凍結に遭うことも考えられる。ノーマルタイヤではなく、目的地までチェーンを用意したり、冬用タイヤのままにしておくことも推奨する。

河川によっては雪解け水やダムの放水など、不意の出水も想定される。十分気を付ける。釣り場では「大声を出す」「ドタバタと走る」「自分の影を水面にさらす」などの行為はご法度。いずれも魚の警戒心を高めてしまう。

渓流釣りでは川面に影を入れずにサオを出すのが鉄則
渓流釣りでは川面に影を入れずにサオを出すのが鉄則

釣り人にとって、解禁は年に1度のお祭り。サオが出せて、獲物が確保できれば万々歳だろう。暦の上では春になったとはいえ、まだまだ水が冷たく感じられることもある。そんな時には日帰り温浴施設へと立ち寄るといい。狩野川の場合、「湯の国会館」「テルメいづみ園」などが点在している。ほかの河川でも同じような施設が存在している。道路が空くまでのんびりとお湯につかって疲れを取り、おいしいものを食べて、体も胃袋も、何よりも心も温めてから帰るのも一興だ。釣りは「総合レジャー」だから。

狩野川で釣りをした後は立ち寄り湯の「湯の国会館」でゆったり
狩野川で釣りをした後は立ち寄り湯の「湯の国会館」でゆったり
3月1日に渓流解禁となる関東近辺の主要河川
3月1日に渓流解禁となる関東近辺の主要河川

河川で釣れる主な魚

◆アマゴ 「清流の女王」。降海型は「サツキマス」。ヤマメとよく似ているが、側面に鮮やかな朱点がある。体長は20~30センチ、サツキマスはもう少し大きくなり、25~50センチ程度。環境省のレッドリストの中では「準絶滅危惧種」に指定されている。

◆イワナ イワナとオショロコマの2種に大別される。イワナはアメマス、ニッコウイワナ、ヤマトイワナなどに細分化される。一般に背中側は緑褐色や灰色で、体側に白い斑点が見られる。神経質で人影には敏感だが、エサの少ない源流部では貪欲に捕食する。体長は20~60センチ。ヤマメ同様、30センチ超えの「尺イワナ」はあこがれ。山奥の民宿などで出される、丸焼きにしたイワナを鉢に入れて日本酒の熱かんを注いだ「骨酒」は絶品。

◆ニジマス 1877年(明10)に持ち込まれた外来種。北米やカムチャツカ半島が原産。冷水魚だが、25度前後の高水温にも適応でき、全国各地で養殖されている。河川や管理釣り場で放流される人気魚種でもある。体側に通った朱色や赤紫色の縦帯が大きな特徴。一般には40センチ前後だが、各地の水産試験場や漁協で改良を加えられ、中には1メートルに達するジャンボサイズもいる。

◆ヤマメ アマゴと並ぶ渓流の人気魚種。背中は緑がかった黄褐色で、腹側は白く、側線の周囲に楕円(だえん)形のパーマークが並んでいるのが大きな特徴。大型になると薄れることも。30センチを超える「尺ヤマメ」は渓流の釣り人のあこがれ。最大で40センチ前後まで成長する。通常は川の中で一生を終えるが、海に降りて成長し、川をさかのぼって産卵する降海型を「サクラマス」と呼ぶ。

◆ブラウントラウト 欧州原産で、昭和初期に米国から持ち込まれたとされている。シューベルトの歌曲「鱒」のモデル。ニジマスに似ているが、体側に縦帯はなく、体側に黒い斑点、白とか青で縁取られた朱紅色の斑点がちりばめられている。ニジマス同様に肉食性で甲殻類や昆虫などのほか、小魚も捕食する。

今年もイワナやヤマメなどの渓流つりが楽しめるシーズンがやってくる
今年もイワナやヤマメなどの渓流つりが楽しめるシーズンがやってくる

芦ノ湖も解禁

大型のニジマス、ブラウントラウトをはじめ、ワカサギやブラックバスなどの釣りが楽しめる神奈川・芦ノ湖も3月1日に解禁となる。円安によりマスの種苗が高騰したため、昨年に続いて今年も特別解禁釣り大会は実施されず、通常解禁となる。

芦ノ湖漁協ではシーズン用の種苗は例年通り確保している。12月14日まで年間大物賞も募集する。期間限定禁漁区やエサ釣り禁止区域及び期間、岸・桟橋からエサを用いた手釣り、サオ釣りはサオ先から15メートル以上の仕掛け使用禁止などのルールも解禁と同時に運用。大きな変更点はない。その他、主なルールは以下の通り。

◆釣り方 ルアーまたはエサ釣りで、手釣り、サオ釣り、トローリング以外は不可。使用できる仕掛け1人2本まで

◆胴突き釣り ワカサギのみ可

◆ワーム・パワーベイト、巻きエサ 環境を破壊する可能性があるため使用禁止

◆放流サイズ 25センチ以下のブラックバス、18センチ以下のニジマス、ブラウントラウト、ヒメマス、イワナ、ヤマメ、コイは放流

◆持ち帰り制限匹数 ブラックバスは5匹(生きたままの持ち帰りは不可)、マス類は15匹まで

◆遊漁時間 日の出1時間前から日没1時間後まで

問い合わせは芦之湖漁協【電話】0460・83・7361。https://www.ashinoko-gyokyou.com/

芦ノ湖では昨年8月に84センチ、9・92キロの超大型ブラウントラウトがヒット
芦ノ湖では昨年8月に84センチ、9・92キロの超大型ブラウントラウトがヒット