最も基本的な聴力検査は「標準純音聴力検査」です。これは前回紹介しました。今回は「語音聴力検査」を知ってください。日常生活でより重要なのは、「音が聞こえるというよりは、コミュニケーションをとるための言葉が聞こえるか」が重要になります。言葉が聞こえるか否かを直接的に知る検査が語音聴力検査です。

語音聴力検査は、主に50音の一文字を流して復唱してもらったり、書いてもらったりして聞こえを調べます。書いてもらった答えをあとで採点するケースと、その場で採点するケースがあります。20文字程度流して、何%合っているかの正解率を出します。その正解率が語音明瞭度になります。日常会話ができるのは語音明瞭度が60%くらいまでで、60%を切ってくると聞き間違いが多くなり、日常生活に困ってきます。40%になると日常生活はさらに苦しく、20%ではコミュニケーションができなくなります。難聴の程度がよりはっきりと認識できます。

ただ、自分自身の難聴の状態を把握するということでは、まずは前回紹介した標準純音聴力検査で難聴の程度をチェックすることが重要です。その中でも、どれだけ言葉が聞き取れていないか--それを確認するために語音聴力検査が重要になるのです。

検査としては、標準純音聴力検査と語音聴力検査はしっかり受けるべきです。ただ、語音聴力検査は気軽には受けられません。クリニックで行っているところは極めてまれなので、クリニックから病院を紹介してもらって受診しましょう。

語音聴力検査で話声レベルの語音明瞭度が50%しかないと日常会話が厳しい状況です。この段階になると対策をとる必要があります。その対策は、「補聴器」「人工内耳」などの判断になります。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)