年を取ることで誰にでも起こってくる「加齢性難聴」ですが、進行すると聞こえがどんどん悪くなり、会話がつらくなってきます。そうなると、まずは「補聴器療法」で対応することになります。その補聴器療法には、適応になる人の条件があります。それは、<1>「両耳、もしくは片耳に難聴」、<2>「難聴を改善させたい意志がある」の2つです。

<1>両耳、もしくは片耳に難聴

一般的には、難聴の程度と聴力レベルは、25デシベル未満が「正常」、40デシベル未満が「軽度難聴」で、その40デシベルを超える「中等度難聴」になると補聴器の適応になります。最近は、日本耳鼻咽喉科学会でも「40デシベル未満の軽い難聴でも補聴器を試してみましょう」と勧めています。そして、加齢性難聴では基本的に聞こえの左右差がない方がほとんどなので、補聴器は両耳に着けるのがお勧めです。

<2>難聴を改善させたい意志がある

これもとても重要な要素です。補聴器は、あくまで音を大きくしてあげる装置です。雑音を抑制する機能など、いろいろ工夫はされてきています。それでも、基本は単純に音を大きくする装置なので、言葉だけが大きくなるのではなく、周囲の雑音、環境音などすべてが大きくなります。当然、不快感はあり、それは患者さん自身の負担になります。ただ、慣れてくると言葉がしっかり聞き取れるようになってきます。最初の負担感を克服する意志、“頑張ろう”という心がないと、補聴器を着けられないままになります。

「難聴を何としても改善させたい」という強い意志が、補聴器を使う、使いこなすためには大事です。補聴器の調整は認定補聴器技能者が行うので、しっかりコンタクトを取って調整に協力しましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)