【シャンペリー訪問記(上)】ステファンの誇り「世界地図に載せられた」/正月企画
スイス南西部にシャンペリーという村があります。
アルプス山脈の麓に位置する標高約1000メートルの地で、近年はフィギュアスケート男子の宇野昌磨さん(27)や島田高志郎(23=木下グループ)らが研さんを積み、日本のファンにも広く知られる場所となりました。
その全ては2006年トリノ五輪(オリンピック)銀メダルのステファン・ランビエル氏(39)が、この地を指導の拠点としたことから始まりました。
2024年12月。現役時代の宇野さんを2016年から担当した松本航記者(33)が、グランプリ(GP)ファイナルをフランス・グルノーブルで現地取材。その足で国境をまたいでシャンペリーを訪ね、ランビエル氏らのインタビューを行いました。
日刊スポーツ・プレミアムの正月企画として、本日から3週にわたって現地リポートをお届けします(敬称略)。
フィギュア
シャンペリーに行こう
初めてシャンペリーという場所を知ったのは、2018年平昌五輪の前後だった記憶がある。
当時関大を拠点としていたコーチ、浜田美栄のチームが訪れた時の話を聞いた。
担当歴が浅く、慣れないフィギュアスケート取材で困った時に頼っていた細田采花が「すごくいいところでした!」と目を輝かせていた。
2018年12月。カナダ・バンクーバーのジュニアGPファイナルで、当時17歳の島田高志郎が3位に入った。
その時点で1年と少し前からシャンペリーに拠点を移していた。実家から送られてくる白米を炊き、時にはメンチカツを作りながら、慣れないスイスで成長した話を聞いたことを覚えている。
2019年11月。GPシリーズのフランス杯で涙に暮れた宇野が、その足で開催地のグルノーブルからスイスへと向かった。
コーチ不在で海外を転戦していた平昌五輪銀メダリストは、ほどなくしてランビエルに師事を決めた。
「スケートを楽しみたい。ここならスケートを楽しめると思った」
2024年春の現役引退にいたるまで、宇野とランビエルとの強固の絆は、取材する側にも伝わってきた。
だが…。
シャンペリーという場所は伝え聞くだけで、想像の域を出なかった。
今回、ついにGPファイナル後の機会を生かして足を運ぶことができた。
先方の協力により、インタビューや施設の撮影が許された。
ジュネーブを経由して
2024年12月9日、月曜日。
前夜はGPファイナルのエキシビション取材を終え、記者仲間とグルノーブルの店で地元料理を楽しんだ。
午前10時に合わせて6泊したアパートメントのチェックアウトを済ませ、トラムのA線でグルノーブル駅へと向かった。
この駅からは乗り継ぎの必要なく、3時間ほどで首都のパリへも移動することができる。
駅前のマクドナルドで朝食を済ませると、午前11時58分、大きなスーツケースを引きながら、スイス・ジュネーブ行きの電車に乗り込んだ。
フランス南東部に位置するグルノーブルからは、北東へ向かうことになる。
車内は自由席。自転車を載せるスペースが確保されており、犬も乗車していた。コンセントが完備されていて、GPファイナルの原稿を書くためにパソコンを使いたかった自分の助けになった。
3週間ほど前にラグビー日本代表がウルグアイ戦に臨んだシャンベリーを通り過ぎると、左手にブルジェ湖が見えた。窓ガラスが曇っていて写真がうまく撮れなかったが、ほどなくして終点のジュネーブに到着した。
往路もジュネーブ空港からグルノーブルへ向かったため、駅構内の位置関係は把握していた。
ジュネーブ駅への到着時にパスポートを見せる必要はないが、紙幣はユーロからスイス・フランに変わる。駅前の中華料理店で広東風焼きそばとコーラを頼むと、のちにクレジットカードの明細に4972円とあった。物価でスイスを感じた。
駅から徒歩5分
午後2時2分のジュネーブ到着から約1時間後、今度は3時10分発の電車に乗った。自由席だったが、腰かける席のチョイスを誤った。
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松本航Wataru Matsumoto
大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。
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