【アジア大会】藤波朱理 9年4カ月ぶり敗戦に「自分の実力不足」

[ 2026年10月4日 05:01 ]

愛知・名古屋アジア大会第15日 レスリング ( 2026年10月3日    名古屋市稲永スポーツセンター )

愛知・名古屋アジア大会<レスリング・女子57キロ級>準決勝、敗れた藤波(右)(撮影・小海途 良幹)
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 レスリング女子57キロ級で24年パリ五輪53キロ級王者の藤波朱理(22=レスター)が準決勝で北朝鮮選手にフォール負けを喫し、17年9月から続いていた公式戦連勝記録が155で止まった。階級変更後初のシニアの国際大会で衝撃の敗戦となったが、3位決定戦には勝って銅メダルを獲得した。

 衝撃の敗戦に騒然とする会場。マット上では相手のソン・イルシムが涙を流して喜ぶ傍らで、藤波はぼうぜん自失の表情を浮かべた。17年6月、全国中学生選手権決勝で伊藤海に敗れて以来、9年4カ月ぶりの黒星。敗戦から20分後、ようやく現れた取材ゾーンでは、消え入るような小声で「自分の実力不足で負けた」と話した。

 ソンは25年世界選手権準優勝の実力者。開始直後、組んだ瞬間に「すぐにちょっと違うな」とフィジカル差を痛感したという。両手でがっちり組み止められ、遠間から瞬時に入る得意の高速タックルを封じられて無得点の完敗。五輪王者として徹底対策されることは「当たり前。本当に相手が強くて、自分が弱かっただけ」と認めた。
 
 予兆は10カ月前にあった。57キロ級転向後、初の全日本選手権の決勝で、フォール負け寸前まで追い詰められた。肉体強化を加速させたはずだったが、この日の初戦でもモンゴル選手にひねり倒され、あわやフォール負けの危機。圧倒的な攻撃力と体格差で制圧できた53キロ級時代の強みが通用しないことが明白となり「(対策を)上回る練習をしてきたと思ったが、自分の実力不足」と繰り返した。

 日本選手団の旗手を務め、金メダルを獲って文字通り大会の顔となるはずだった藤波。名誉と屈辱、対極にある2つの感情を経験し、「本当にいろんな意味で忘れられない大会になった」と心に刻んだ。24日開幕の世界選手権(アスタナ)は出場辞退を明言。五輪連覇へ乗り越える壁は高いが、「この負けを必ず意味のあるものにする」と涙声で誓った。(阿部 令)

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