防府のG2ウィナーズカップが終わって、中1日でヤマコウカップが始まる。自分の冠レースなので意気込んで現地に入ると、F1らしくのんびりムード。「そりゃそうだわな」と整えていると、「ちわー!」と、今日も元気な吉田敏洋だった。ノッシノッシと近づいてくる姿は、どこか動物園の人気者を思わせる迫力がある。あいさつは威勢いいが、レースの話になると「体調が悪くて…」と一転して弱気なトーン。そのギャップも彼らしい。今回は中部黄金期の一角、小嶋敬二も参戦し、シリーズに厚みを与えてくれそうだ。
特選は本格先行型が不在で、松本貴治や渡辺雅也が中心になる。松本は高値安定、対して渡辺は近況強気なレースも増え、存在感が出てきた。番手を回る機会も多く、結果も出している。取手G3の準決では、根田空史の後ろを初手から上野優太に攻められる厳しい展開。それでも一度遅れながら最終ホームで追い上げ番手を奪取した。結果以上に、あの気迫は評価できる。競りは結果ではなく過程が重要だ。その意味で並走の技術など枝葉の部分を磨くだけだ。
昨年9月に行われた福井共同通信社杯、何をやってもうまくいかない渡辺は、後半2日間、犬伏湧也と新山響平の後ろに競りに行った。結果は良くなかったが「現状をなんとかしたい」というハングリー精神を感じた。それが今につながっている。
12Rはラインが長く先行もありそうだ。松本をどこまで苦しめられるかが今後の行方を占う。(日刊スポーツ評論家)























