2日目のヤマコウカップは晴天のもと行われた。大垣競輪場は春から夏にかけてバックが追い風になる。冬はバックが強烈な向かい風でタイムが出ない。コンディションの面でも春の訪れを感じた。

12Rが終わって敢闘門に選手が引き揚げてくる。息遣いも荒く、レーサーシューズを脱ぎながら反省会をする。志智俊夫は私を見つけて「やりました!」とホッとした様子だった。ヤマコウカップはいろいろなところにプレッシャーを与えているようで申し訳ない。

格上の松本貴治がV奪取に挑む
格上の松本貴治がV奪取に挑む

連日、格上の走りを披露しているのは松本貴治だ。特選はバック5番手からのまくり。準決は前受けして、野中龍之介をたたこうとするが思うように進まなかった。「(野中が)強いとは聞いていたが予想以上だった」と振り返る。仕掛けるタイミングはベストだった。先行はできなくても、松本に弱気な部分は感じなかった。むしろ、新人の力量が分からなくても果敢に仕掛ける、勝負度胸が光った。受けて立つ立場の選手にとって「勝って当たり前」のレースほど難しいものはない。本来であれば、無理をせず確実に勝ち上がる選択もある。しかし、そうしなかった。

彼は戦法を使い分ける自在選手だ。野中に先行させて3番手から攻めても、レースのうまさは際立ったはずだ。それでも力でねじ伏せにいった。その選択に志の高さが表れている。積極的なメンバーがそろったが、その中でも勝負の仕方は松本が一段上だ。(日刊スポーツ評論家)