深谷知広(36=静岡)が23年9月の青森G2共同通信社杯以来、約2年半ぶり6度目のビッグレースVを果たした(単発のヤングGPを除く)。2角6番手からのまくりで、2着に3車身差をつける圧勝劇。5月平塚G1日本選手権(ダービー)への最高の弾みとなった。2、3着は真杉匠、清水裕友。
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すべてが深谷に味方した。枠順が悪い中、午後から降り出した雨を物ともせずに番手小原が5番車からSを取る。「あれが大きかった」と深谷。前受けから清水を出し、吉田の先行、古性のまくりも冷静に見送った。最終2角、山崎賢に合わせて満を持して踏み込むと、吉田の番手から出たものの「古性さんは見えたけど、雨で深谷さんが全然分からなかった」と言う真杉を一瞬にして抜き去る。上がり9秒3は今大会最速タイの破壊力だった。
「今日の自分は自分でも信じられない。(3日間)ずっとパッとしなかったのに…。普段は最終日に向かって疲れが出るのに今日は違った。準決が終わってからいつも以上にケアしてリカバリーに気を使ったことが良かったのかな。最後になって(かみ)合った」
その準決は大量落車に巻き込まれずに2着。この日の雨、体調の上昇と、いい流れをしっかりつかんだ。練習仲間の簗田は言う。「あまり表に出す人ではないけど、練習への取り組み方、レースでの力の出し切り方など見習うことばかり。すべてがすごい」。日々の努力の積み重ねが、この大舞台で実を結んだ。
5月には地元南関地区のG1平塚ダービーが待つ。「若い選手の壁を感じている中でも、先行できるように。G1を勝って、多くの南関勢でGPに出たい。皆で頑張りたい」。近畿断然の令和の輪界図式に、年齢を感じさせない「平成の怪物」が大きなくさびを打ち込んだ。【栗田文人】





















