百貨店大手のそごう・西武は25日、西武渋谷店(東京都渋谷区)を9月末に閉めると発表した。新進気鋭のファッションデザイナーが生み出す「DCブランド」ブームの聖地として1970~80年代に一時代を築いた。近年は消費者の生活スタイルの変化に付いていけず収益力が低下していた。58年の歴史に幕を下ろす。2020年3月に東急百貨店東横店、23年1月には東急百貨店本店が閉店しており、渋谷に「百貨店」がなくなる。
そごう・西武の閉店は2021年のそごう川口店(埼玉県川口市)以来となる。そごう・西武は23年に米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループの傘下に入って構造改革を進めており、西武池袋本店(東京都豊島区)などに経営資源を集中する。
渋谷店は渋谷駅前のスクランブル交差点そばの一等地にあり、再開発を目指す土地・建物の所有者と賃貸借契約で合意できなかったことが最後の一押しになった。「A館」と「B館」を閉める。雑貨店が入居する「ロフト館」と、無印良品が入る「モヴィーダ館」は営業を続ける見通しだが「西武渋谷店」の看板は下ろす。勤務する社員約230人の雇用は継続し、配置転換する。
渋谷店は1968年に西武百貨店渋谷店として開業。故堤清二氏が率いたセゾングループを象徴する拠点の1つだった。有名ファッションブランドの製品をブランドごとに並べて売るのが一般的だった時代に、「カプセル」と呼ばれる独自の売り場を設け、無名の若手デザイナーの製品をバイヤーの感性で組み合わせて提案。コムデギャルソンやイッセイミヤケ、ヨウジヤマモトといったブランドが世界的に流行するきっかけをつくった。(共同)

