★彼岸も過ぎ、東京では桜が咲き始めた矢先、25日は冷たい雨が春の出はなをくじいた。この日新宿で昨年12月30日に95歳で死去した日本共産党前議長・不破哲三(本名・上田建二郎)の党葬が行われ約900人が参列した。衆院議長・森英介、参院副議長・福山哲郎を始め、自民党幹事長・鈴木俊一、日本維新の会幹事長・中司宏、中道改革連合代表・小川淳也、国民民主党代表代行・古川元久、社民党副党首・ラサール石井ら各党幹部が参列。また今までの両党の関係から積極的な出席はないと思われた中道顧問・斉藤鉄夫、公明党代表・竹谷とし子が列席、関係者とあいさつを交わすなど、不破の人柄が出席を促したと感じさせた。また野党共闘や民主党政権樹立の経緯からか元首相・鳩山由紀夫、前衆院議員・小沢一郎も列席、故人をしのび献花した。

★党幹部のあいさつや弔辞で不破の功績が多く語られたが、出席者からは論理的支柱であった不破の評価だけでなくその人柄が多くの政治家を呼び、ひきつけてきた魅力が見えてくる。往年の共産党番記者たちも幾人も参列していたが、党派の垣根を越える政治家同士のエネルギーが今の政界に乏しいことを改めて感じた。不破の最期を家族とともにみとった同党葬儀委員長(中央委員会議長)志位和夫は「長女の千加子さんから、不破さんが亡くなる数日前に『僕はもう体力はないけれど、頭を使って人類が幸福になるための仕事をするために働きたい。それが希望だ』と語っていた」との披歴があった。

★その上田千加子が遺族を代表してあいさつに立ち、母(上田七加子)の死後、自宅で「父が母の写真に向かって語りかけていました。よく話題が尽きないものだと思うぐらい毎晩熱心に話し込んでいた」「父は母にも私にも『君』と呼びかけていた」など家族ならではのエピソードを聞き、政治家の人間力が政策と共に政治の信頼を作ってきたのだと感じた。(K)※敬称略