カーリング女子日本代表のフォルティウスが、激動の4年を乗り越え、大舞台に臨む。4年前はスポンサーゼロの危機だった。21年9月に22年北京五輪をかけた代表決定戦で敗戦。2カ月後には前スポンサーの北海道銀行との契約が終了した。それでも4年間の地道な営業が結実し、現在は26社にまで増加。力強い後押しを受けて昨年12月、カナダでの五輪最終予選を勝ち抜いた。

昨年4月からチームを支える「北海道芸術高等学校」を運営する学校法人恭敬学園の坂井直樹理事長(63)は、観客席から声援を送った。五輪切符獲得を目撃し「私の人生でフォルティウスに出会えたことは本当に意味のあるもの」と喜んだ。

始まりは25年2月。日本選手権での優勝を偶然、出張先のテレビで観戦した。貯金を切り崩すなど苦しんだことを知った。「自分が学校を立ち上げて20年。最初は融資が受けられず苦労したこともあった。当時の自分とリンクして、お手伝いできればと」。すぐに連絡を取り、支援を始めた。

全国6カ所に学校を展開し、コースは「マンガ・イラスト」「ミュージック」「美容師」など多岐にわたる。スポーツに縁のない生徒も多い。それでもチームを応援することが、高校生に好影響を与える。「フォルティウスは戦い方も泥臭い。情熱と工夫で乗り越えられるものがあると生徒に伝えられる」と明かす。

昨年6月にはサード小野寺と船山コーチが学校を訪問。「カーリング精神に学ぶ礼儀の大切さ」をテーマに講演した。「きっかけを与えれば、生徒は必ず伸びる。苦しいこと、うまくいかないことから逃げてしまう子もいる。でもフォルティウスみたいに諦めないで頑張れば目標や夢がかなうと伝えてもらえた」と振り返る。

最終予選前には、学生が直接チームにエールを送った。「生徒会主体で準備をした。マンガ・イラストコースの生徒がいたので、似顔絵入りのタンブラーを作った。選手もすごく喜んでくれた」と笑顔を見せる。カナダに自ら持参し、選手5人と船山コーチの似顔絵入りボトルを6本、観客席に並べた。自身はイラスト入りパーカを着て声援を送り、五輪行きを後押しした。

今後に向けて「運が人生を左右するが、運は自分の努力だけでは運び込めない。サポートする人が運を運ぶこともできる。やれることは限られているが、それが積み重なって彼女たちの目標や夢が達成できれば」と願った。【飯岡大暉】

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カナダで行われた五輪最終予選を観戦する、フォルティウススポンサーの学校法人恭敬学園の坂井直樹理事長(2025年12月撮影)
カナダで行われた五輪最終予選を観戦する、フォルティウススポンサーの学校法人恭敬学園の坂井直樹理事長(2025年12月撮影)