化粧品会社で販売員として働き、中皮腫で2024年に亡くなった宮城県の女性(当時68)について、化粧品やベビーパウダーに含まれるアスベスト(石綿)を吸入したことが原因の可能性があるとして、仙台労働基準監督署が労災認定していたことが24日、支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京)への取材で分かった。認定は25年12月2日付。

会によると、石綿による健康被害を巡り、化粧品販売員が労災認定されたケースは全国で初めて。

女性は1974年3月から77年6月までの約3年間、資生堂仙台駐在所(現・資生堂ジャパン)に勤務し、薬局などに出向いてファンデーションなどの化粧品を紹介する仕事をしていた。

労基署は、女性が日常的に扱っていたファンデーションやベビーパウダーの原料となる鉱物「タルク」に不純物の石綿が混入し、勤務中に吸入していた可能性があると判断した。現在は石綿を含むタルクの使用は規制されている。

女性は24年1月に体調を崩し、宮城県内の病院で石綿が主な原因とされる中皮腫の診断を受けて治療を受けていたが、同年10月に死亡した。

資生堂ジャパンは「元社員が亡くなったことに哀悼の意を表します。詳細を確認して適切に対応していきます」とコメントした。

患者と家族の会の担当者は「過去に化粧品を扱う仕事をしていた人は、体調不良になったら、石綿被害の可能性も疑ってほしい」と話した。同会の無料相談窓口は電話(0120)117554。(共同)