今週、創業60年の地元の質屋をぶらりのぞくと、「審査なし! 返済義務なし! 督促なし!」の文字が躍るポスターが目に。なるほど、ローンやキャッシングといった“借金系”と違い、質屋は客の質入れ品の評価額の範囲内で金銭を貸し付ける“担保系”の事業形態。仮に客が流質期限までに借入額+利息を弁済できない場合、質入れ品を手放せばいいだけですから、質屋に「審査」「返済義務」「督促」はもちろん、「取り立て」「差し押さえ」といった物騒な概念がないのも当然です。

92年スプリングSを7馬身差で圧勝したミホノブルボンと小島貞博騎手
92年スプリングSを7馬身差で圧勝したミホノブルボンと小島貞博騎手

で、今週のスプリングSの軍資金を調達すべく、自宅に眠っていた記念切手や年代物のウイスキーを質屋に持ち込んだ訳ですが、希望額の20万円には遠く及ばず、約7万円という残念な結果に。とはいえ、相性抜群のスプリングSで帯封を目指すには十分な金額です。ここは逃げ馬テルヒコウで勝負。皐月賞の権利取りへ勝負気配がひときわ漂います。

ちなみに、今年で75回目を迎えるスプリングSの第1回(52年)優勝騎手はレジェンド野平祐二さん(優勝馬はアサトモ)。以後、シンザン、ハイセイコー、テンポイント、ミホノブルボン、ナリタブライアン、メイショウサムソン、オルフェーヴル、キタサンブラックといった名馬が歴史に名を刻む伝統のG2ですが、中でも2着に7馬身差をつけた92年ミホノブルボンの逃走劇は今も鮮明に覚えています。あの圧勝劇の再現をテルヒコウに期待!

92年スプリングSを7馬身差で圧勝したミホノブルボン(左)
92年スプリングSを7馬身差で圧勝したミホノブルボン(左)

余談ですが、20代のころはギャンブルに行く前に質屋で種銭を作るのが日常でした。結果、質流れは厳禁だったビデオデッキ、テレビデオ、レコードプレーヤー、スピーカーといった多くの貴重品を旅立たせてしまいました(質流れ=弁済できずに所有権が質屋に移行)。その点、今回の質草は質流れしても何ら未練も問題もない記念切手とウイスキー。この気軽さ、ノープレッシャー(無理しなくていい、駄目でもいい、の意味)こそ、ギャンブルで勝利を呼び込む原動力。伏兵のテルヒコウがあれよあれよと後続を突き放すシーンが目に浮かぶ、のは私だけでしょうか……。

92年スプリングSの口取り写真
92年スプリングSの口取り写真