レジェンドトレーナーが「ウマ娘 プリティーダービー」を語る-。国内外G1・38勝の角居勝彦JRA元調教師(61)は、24日にゲームリリース5周年を迎えた人気コンテンツの企画段階において相談を受けていた。月イチ連載「Thanks Horse」で当時の秘話を明かすとともに、キャラクターとして登場する元管理馬“6人”の感想もつづった。

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「ウマ娘」が5周年を迎えたと聞きました。実は私が現役の調教師だった頃に、Cygamesの方が厩舎へいらっしゃって、企画の相談を受けたことがあります。ゲームにはまったく詳しくないので「ウオッカが女の子の格好をして走ります」という説明を受けて「そんなの面白いんですか?」と言ってしまったのを覚えています。

まだオーナーの許可をとる前の段階だったようで「こういう話を馬主さんにしたら、どう言われますかね?」とも聞かれました。たしか「競馬の人気が上がるならいいんじゃないですか」などと答えたと思いますが、今から振り返ると、ちょっと無責任だったかもしれません(笑い)。正直なところでは、失礼ながら「はやるのかな」と思ってしまっていたのはあります。これほどまでに人気が出るとは…。驚きましたし、恐れ入りました。

ウチの厩舎からはウオッカやシーザリオ、キセキが登場していますし、新たにヴィクトワールピサ、ルーラーシップ、エピファネイアの“3人”も追加されたと聞きました。みんなかわいい女の子ですし、実際の勝負服とコスチュームを合わせたりして、アイデアにも感心させられます。キャラクターの性格にも史実を取り入れて、ルーラーシップの「部屋にこもって出てこなくなる」は出遅れのことだとか、エピファネイアの「大暴走になりがち」は引っかかることだとか、面白い要素だと思います(笑い)。

何十年も前の競走馬をモデルにしているので、おじいちゃんと孫が同じ馬の話で盛り上がったりするそうです。競馬は血統でつながっていくのも魅力です。低年齢層の子供たちに「ウマ娘」を通して昔の馬のことを知ってもらえるのもいいところだと思います。

そして私たちにとっては、引退競走馬に関心を持ってもらう機会になっているのも本当にありがたいです。さらに「ウマ娘」の売り上げから、われわれの団体(ホースコミュニティ)にも寄付を頂きました。以前に馬術競技会の「角居勝彦チャレンジカップ」を開催した際には、キャラクターのパネルをお借りしたこともあります。

今では間違いなく、競馬の人気に貢献してくれていると思います。これからも、ウチの厩舎の馬たちが出てきてくれるのを楽しみにしています。

「ウマ娘 プリティーダービー」のパネルと角居元調教師(中央)左は元五輪選手の広田龍馬さん、右はホースツリー古田雅士代表(乗馬プラザ・ホースツリー提供、22年12月撮影)
「ウマ娘 プリティーダービー」のパネルと角居元調教師(中央)左は元五輪選手の広田龍馬さん、右はホースツリー古田雅士代表(乗馬プラザ・ホースツリー提供、22年12月撮影)