BCクラシックではフォーエバーヤングが勝利を果たしました。もちろんチャンスは大きいと思っていましたが「もう日本馬が勝っちゃうんだ」というのが率直な感想です。ウチの厩舎でもシーザリオが米国のG1アメリカンオークス(05年)を勝ってくれましたが、米国はダートが中心で、やはり芝とは格が違います。その頂点といえるレースをこんなにも早く日本馬が勝てるようになるとは想像できませんでした。

ただ、それを達成したのが矢作先生だったのには「やっぱりな」という気持ちがあります。助手時代はあまり接点がありませんでしたが、調教師になってからは坂路の同じスタンドで調教を見るようになり、お話しする機会が増えました。開成高校出身ということもあり、すごく頭が良くてクレバーな方で「こういう人が時代を変えるんだろうな」と感じていました。

最も印象に残っている思い出は、調教師を引退する時に「逃げやがって」と言われたことです(笑い)。開業は私の方が先でしたが、お互い同じように常に海外挑戦を頭に入れていて、勝ち星もグングン迫られていたので「いつか追い越してやる」と思っておられたのかもしれません。

海外では分からないことだらけで、行った人は強くなります。その積み重ねで厩舎全体の力も上がっていったのでしょう。地方や新規の調教師が研修に訪れることも多いですし、所属の騎手も含めて次世代の人材を育てる意識も強いように感じます。十数回も調教師試験にチャレンジされるなど苦労された経験もおありなので、厩舎スタッフの気持ちをくみとるのもうまいのではないでしょうか。人も馬も引きつける魅力がある先生なのだと思います。