Jリーグが「気候アクション」を本格化させている中、東京ヴェルディが東京23区で初のJリーグ環境教育授業を実施した。
少し季節外れの雪が朝に降った3月10日、DF深澤大輝(27)とMF稲見哲行(26)が東京・目黒区立五本木小学校を訪れ、先生となって卒業を間近に控えた6年生59人と向き合った。深澤と稲見はJリーグが定める「Jリーグ気候アンバサダー」に登録しており、現役プロ選手の活動の傍ら、啓蒙活動への取り組みを強めている。
40分の授業では、地球温暖化による気候変動をアニメーション映像を一緒に鑑賞し、両選手が旗振り役となってグループワークを行った。猛暑、大雨、台風といった異常気象で夏場にスポーツをすること自体が難しくなるかもしれない未来。子どもたちの「サッカー選手になりたい」と夢まで打ち消すことになりかねない。温暖化を食い止めるために二酸化炭素(CO2)の排出量を削減していくことは喫緊の課題となっている。
両選手は優しい語り口で小学生の言葉を引き出し、グループワークでも自由闊達(かったつ)な意見が飛び交った。環境教育プログラム「ReENE ECOLE(リエネ エコール)」を展開する協賛社の東急不動産も加わり、再生可能エネルギー(再エネ)について説明するコーナーもあった。環境授業が日頃から行われている昨今の小学生とあって、知っている再エネ発電を問われた中「太陽光」「風力」「火力」「水力」だけでなく、「バイオマス」まで当たり前のように回答する者もいた。
授業後は同校の人工芝の校庭に出て、全員でチーム戦のゲームやサッカーを楽しんだ。授業と交流イベント会も含めて約1時間半。小学生にとっては学びとともにプロサッカー選手とふれあえる最高に楽しいひと時となった。
そして今回のJリーグ環境教育授業を終え、深澤と稲見が感想や思いを語った。
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-まずは授業を振り返っての感想をお願いします
深澤「気候アクションも含めてですけど、こうやって実際にサッカーを通じて小学生たちと触れ合うことができたのは自分にとっても新鮮で、すごくいいことだったと思います。また、気候アクションのアイデアがすごい出たなっていうふうに思っています。そこは自分たちも考えれないようなことだったりも、色々と小学生たちのアイデアはすごいなって思いました」
稲見「企業のやっている取り組みだったりっていうのも紹介できて、やっぱり大人がやってる行動を見て、子供たちも自分たちの未来のこと、そのために何かできることはないかって考えてくれていたので、それは大人の取り組みをクラブだけじゃなくて、企業だったり、その地域のことと関連づけて話せたので、すごく良かったなと思います」
--色々なアイデアが出たところで、何が印象に残りましたか?
深澤「コンビニとかでもらえるゴミ袋が1枚5円は安すぎるみたいことを言ってて、それを高くするのもそうだし、逆にエコバックをもっと安くしようよみたいな話もありました。その観点というか、そういう発想が自分自身は出なかったので、やっぱりすごいなって思いました」
稲見「植林っていうワードが出たり、あとは発電のことを知ってるのも、僕たちの時よりも教育というか、情報がやっぱ手にとって見れる時代だからこそ、そういうことを知ってるんだろうなと感じました。だからこそ、その大人の行動ってのをやっぱ見ている部分が多いと思う。本当に発言1つ取っても、子供に簡単に届く世界だと思うので、そこは自分たちも意識だったり発言、言動ってのは気を付けないといけないなと思いました」
--選手の立場から、気候変動を実感する体験やエピソードを教えてください
深澤「試合は午後っていうか夜が多いんですけど、練習はやっぱり日中にやった時に相当暑いので、その練習後もずっと体がほてってるみたいな。アイスバスに入るのが夏は習慣になっていますけど、入り続けてもなかなか体の体温が下がらないっていうのはやっぱ危ない。小学生とか小さい子にとっては、外で遊ぶことも相当なリスクになると思う。そこはすごく感じましたね」
稲見「ここの小学校は人工芝ですけど、やっぱピッチとか、天然芝もそうですけど、あと体感温度が普通に外で生活するよりも何十度上がる。それは僕らも練習中、足裏が熱いってのはすごい感じますし、実際に練習後の足裏がやけどしてたり、皮がむけちゃったり。昔は人工芝ならあり得たかもしれないけど、天然芝でもそうなっている。本当にこういう人工芝だとゴムチップに太陽光が集まって熱くなるとかってことはあると思う。本当にそういうところで暑さは異常だなって感じています」
--今日の環境授業をやって、子供たちにどんなものを持って帰ってもらいたいですか?
深澤「やっぱり気候アクションってところが一番で、僕たちも気候アクションっていう言葉はこの活動をするまで知らなかった。エコバックとかはありきたりですけど、大事なことの1つだし、本当に小さい時にそういうことをしてるっていうのは素晴らしいことだと思います。気候アクションっていう言葉を覚えてもらって、それを実践してもらうことが一番大事だと思っています」
稲見「どの家庭でもやっぱり子供って中心になっていると思うので、その子供が興味を持つことによって家庭へと広がって、その親御さんの1つの行動が変わるっていうきっかけになるかもしれない。だからこそ、その子供たちに影響を与えたい。今日僕たちがこういう発信をしましたけど、僕たちの行動だったり、大人たちの行動を変えていくってことがすごい大事だと思います。その子供たちから広がる場だったり、子供たちが自分たちの未来のことを考えて行動してくれるってことも、すごくうれしい」
【佐藤隆志】









