東京ヴェルディがFC東京をPK戦の末に制し、2008年(平20)8月16日以来、18年ぶりの東京ダービー勝利となった。
城福浩監督(65)は過去に東京を指揮しており、両チームで東京ダービーの白星を挙げた初の監督となった。
昨日の友は今日の敵-。因縁深い東京ダービーで、ヴェルディが粘り勝ちした。
前半こそ敵陣に押し込み決定機を複数回つくったが、後半はピンチの連続だった。同33分、2季前は東京V所属だったMF山田楓喜にゴールネットを揺らされたが、オフサイドで取り消し。薄氷を踏む思いで90分を0-0で終えた。
そして迎えたPK戦でGK長沢が2本セーブし4-2と制した。チームは08年8月16日(2-1、国立)以来、6427日ぶりのダービー勝利を手にした。くしくも城福監督は、その当時の東京を指揮して敗れていた。摩訶(まか)不思議な形で新たな歴史が刻まれた。ただ城福監督に笑顔はない。
「ありがたいし、自分の宝物だと思っていますけど、今の心境は危機感しかない。この選手層では、このままでは大変なことになるし、おそらく相手チームは補強またしますよ。去年の夏と冬と同じように」
その危機感については、さらにこう掘り下げて話した。
「チームのレベルアップというのは、高いレベルの競争以外にないと思っています。即戦力を補強して高いレベルを生み出すというのがJ1の常連クラブですけど、我々は時間との戦いで成長なんですよ。もっと言えば、(移籍)ウインドーが開くたごとに我々はチャンスというよりピンチになることが多いクラブなので、とにかく成長のスピードを上げないといけない。それがポジションの競争力を高めることになる。その意味では、自分が今日3枚しか(交代カード)を切れなかったという、ちょっと自分に対するまだやりきれていないという思いの方が強かったです」
東京ダービーに特別な思いを持っているのが城福監督。両クラブを知る上に、Jリーグをより盛り上げられる大きなコンテンツだとも捉えている。だからこそ、FC東京に差をつけられるわけにはいかない。
このダービーの前にはこうも話していた。
「ここ2回のウインドーで一番経験と実績を持った選手を補強したのはFC東京だと思うんです。それを生かしているチームだと思うし、我々がそれに対抗するためには、経験と実績では対抗しようがないんです。じゃあ何を持って我々は対等にやるんだっていうところは、しっかりピッチ見せなきゃいけない」
かつて指導した愛弟子、長友佑都もいる。相手が大きければ大きいほど、反骨心を抱くのが熱血の指揮官「JFK」。悔しさや危機感を肥やしに闘い続ける。【佐藤隆志】



