6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会で、全104試合を日本で生配信するのは動画配信サービスのDAZN(ダゾーン)だ。テレビ放送と配信を合わせた国内向けの放送権料は、関係者によると、前回よりも増えて総額300億~350億円とされる。DAZNの日本法人の笹本裕最高経営責任者(CEO)は高額な配信権獲得について「十分に勝機がある」と語る。
前回カタール大会はインターネットテレビ「ABEMA」が全64試合を無料で生中継し、地上波3局での中継は41試合だった。試合数が大幅に増えた今大会はDAZNの他に、地上波ではNHKが33試合、日本テレビが15試合、フジテレビが10試合を生中継する。
DAZNは今回のW杯アジア予選を全試合配信した。笹本CEOは「一つのストーリーを完結するためにも(W杯放送権の取得は)どうしても必要だった」と明かす。
放送権料の金額は非公表だが「経済効果、投資利益率を吟味して決めた。対価を得られる根拠を持って大会に向き合いたい」と語る。日本戦は無料配信し、その他の試合は「気軽に見てもらえる料金体系」で視聴できるよう調整中という。スター選手が出場する試合はサッカーに普段は関心がないライト層の誘引も期待できる。
DAZNではここ2年ほど、人工知能(AI)技術への投資を水面下で進めてきたという。昨年は32チームに拡大した形での初開催で注目されたクラブW杯を放送し、世界で27億人が視聴したとされる。そのクラブW杯で実証した配信映像にデータを重ねて見せる技術を、さらに進化させる計画だ。
笹本CEOは「今回のW杯はAIが最大活用される。一方的に視聴する体験から、視聴して参加し応援するという、より豊かな体験になる。W杯を起点にどんどん進化していく」と期待する。(共同)

